ブログを書いていると、ある段階で必ずぶつかる壁があります。それは「自分ではしっかり書いたつもりなのに、なぜか最後まで読まれていない気がする」という違和感です。私自身、この感覚に何度も悩まされてきました。内容が薄いわけではない。調べたことも正しい。文字数もそれなりにある。それでも、どこか手応えがない。この状態が続くと、「自分は文章に向いていないのではないか」と考えてしまいがちです。
ただ、後から冷静に振り返ってみると、問題は文章力そのものではありませんでした。ほとんどの場合、原因は文章構成にあります。
ここを誤解したまま書き続けると、どれだけ記事を書いても同じところでつまずき続けることになります。
「読みにくい文章」は内容以前の問題である
多くの初心者がやってしまう勘違いがあります。それは「良い内容を書けば、自然と最後まで読まれるはずだ」という考え方です。これは一見正しそうですが、実際にはかなり危険な思い込みです。
なぜなら、読者は内容を評価する前に、構成の段階で離脱するからです。
人は記事を開いた瞬間、無意識のうちに「これは読む価値がありそうか」「最後まで読めそうか」を判断しています。この判断は数秒で行われます。その時点で「読むのがしんどそう」と感じられた記事は、内容にたどり着く前に閉じられます。
つまり、内容が良いかどうかは、その先の話なのです。
書き手と読み手の決定的な視点のズレ
文章構成を難しくしている最大の原因は、書き手と読み手の視点が完全にズレている点にあります。
書いている側は、頭の中に全体像があります。何を言いたいのか、どこに着地するのか、自分では分かっています。そのため、「このくらい省略しても伝わるだろう」「ここは説明しなくても大丈夫だろう」と判断してしまいます。
しかし、読み手にはその前提が一切ありません。
文章に書かれている情報だけが、すべてです。
このズレを意識できないまま書くと、説明が飛び、話題が突然変わり、読者は置いていかれます。結果として「なんとなく読みにくい」という印象だけが残ります。
一文が長くなる理由と、その落とし穴
読みづらい文章の典型例として、「一文が長い」という問題があります。
ただし、これは単純に文章を短くすれば解決する話ではありません。
一文が長くなる原因は、一文の中で複数のことを言おうとするからです。
書いている側としては、「せっかく調べたから」「ここも大事だから」と、情報を詰め込みたくなります。その結果、一文の中に主張・理由・補足説明・例外条件などが混在します。
読む側は、その一文を理解するために、頭の中で情報を分解しなければなりません。これが続くと、無意識のうちに疲れます。
大切なのは、「一文一役割」という考え方です。一文では一つのことだけを伝える。説明が必要なら、次の文で補足する。この積み重ねが、結果的に読みやすさにつながります。
段落は「話題の区切り」であって「見た目」ではない
段落を空ける理由を、「見た目を良くするため」だと考えている人は少なくありません。もちろん見た目も重要ですが、本質はそこではありません。
段落は、「話題が切り替わったことを読者に伝えるサイン」です。
話題が変わったのに段落が変わらないと、読者は「まだ同じ話をしているのか」「いつ話が終わるのか」と混乱します。逆に、話題が同じなのに細かく段落を分けすぎると、話が途切れ途切れに感じられます。
段落を切るかどうか迷ったときは、「今、自分は何の話をしているか」を自問してみると判断しやすくなります。話題が変わっているなら、段落も変える。それだけです。
結論を急ぎすぎると、読者は納得しない
初心者がよくやってしまうのが、「早く答えを書こうとする」ことです。
特に真面目な人ほど、「結論を早く出すのが親切だ」と考えがちです。
しかし、実際には逆のことが起こります。
読者は、答えそのものよりも「そこに至る過程」を求めています。
なぜその結論になるのか、自分の状況にも当てはまるのか。その納得感がないまま答えだけ提示されると、「で?」という感覚が残ります。
結論を急がず、読者の思考をなぞるように書く。この姿勢があるかどうかで、記事の読了率は大きく変わります。
人間らしい文章には「迷い」が含まれている
読みやすい文章=完璧に整理された文章、と思われがちですが、必ずしもそうではありません。むしろ、少し考えながら書いているような文章の方が、読み手は安心します。
「正直、最初はこう思っていました」
「この部分は今でも少し迷います」
こうした表現は、情報量を増やすためのものではありません。読み手との距離を縮めるためのものです。
完璧すぎる文章は、どこか信用しづらくなります。人間らしい揺らぎがあることで、「この人も同じように悩んできたんだ」と感じてもらえます。
読みやすさは才能ではなく、積み重ねで決まる
文章構成がうまい人を見ると、「センスがあるからだ」と思ってしまいがちです。しかし、実際にはほとんどの場合、単純な意識の積み重ねです。
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今、何の話をしているか
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読者は置いていかれていないか
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一文で言いすぎていないか
これらを毎回少しだけ意識する。それだけで、文章は確実に変わります。
最初から完璧を目指す必要はありません。「昨日書いた記事より、少し読みやすくする」。この感覚を持てるようになると、ブログは確実に前に進みます。
まとめ:構成は「読者への気遣い」である
読みやすい文章構成とは、テクニックの集合体ではありません。
本質は、「この人は読みながら迷わないだろうか」と考え続ける姿勢です。
文章構成は、読者への気遣いです。
それがある文章は、派手でなくても、最後まで読まれます。